藻谷 俊介2月8日1 分景気動向指数 12月分先行CI、一致CI、遅行CIの平均である12月の「総合CI」は、前月比+1.2%の110.7となった(図2A赤線)。11月は0.4ポイント上方修正されて109.5。TOPIXなど相場2系列を除くベースでは+1.3%となり(図2A青線)、そこからぶれの大きい鉱工業生産系の7系列
藻谷 俊介2月4日2 分A Year in Review 2023 昨年を振り返って1年前の当バックナンバー集においてインフレと利上げの終局を議論しましたが、思いのほかFedが引っ張ったことで、2023年も長期にわたってインフレと利上げの問題が市場を席巻する形になりました。私は、インフレを前年同月比で測定することによる遅行の問題、人手不足インフレと言われつつ実は
藻谷 俊介2023年12月28日1 分鉱工業生産 11月分11月の生産は当社季調でも0.5%のマイナスで、グラフの頭打ち傾向は続いている(図2B)。業種間の広がりも再び50を切り(図2J)、在庫も増加気味になっている(図2E~F)。冴えない状態が続いている。一方で、図2A赤線が示している目先の予測は多少上向いた。ただ肝心の予
藻谷 俊介2023年12月13日2 分日銀短観 12月調査全体景気を示す全規模全産業(図A)は、再びポジティブ・サプライズを大きく増やして右上へ移動。前号で「このまま下に進むとは考えていない。右上方向にはまだ進む余地が残っている。」と書いたとおりの結果となった。実際、2021年ごろから「まだ右上に進む余地あり」を筆者は繰り返して
藻谷 俊介2023年12月1日1 分7-9月期 法人企業統計2頁で損益計算書を上から見ていこう。売上は4-6月期比で年率4.7%増加したが、4-6月期の同7.0%からは減速した(図2A)。原価の伸びは低めで(図2B)、粗利益は年率2桁上昇(図2C)。4-6月期と異なり販管費(図2D)と人件費(図2E)も伸ばしたにもかかわらず、営業利益(図
藻谷 俊介2023年11月16日2 分月例中国統計ウォッチ 10月分10月の鉱工業生産は前月比+0.4%と上げ足した(図1)。図2が示すリアルタイムの増加率は、最近はおよそ年率5%のラインを下回ったことはない。なるほどこれが2017年は6.5%、18年は5.9%、19年は6.1%であったから多少劣るが、大きな変調を示すものではない。
藻谷 俊介2023年11月15日1 分世界鉱工業生産 9月分8月は今年に入って最大の伸び率(速報時0.7%)を記録し、速度計も加速を示していたが、9月はその反動が出て横ばいとなった。加重の大きいインドのアップダウンがぶれとなった形である(図3頁黒線)。ただ個別の凹凸は合成、相殺され、速度計は安定した半好況的な伸びを続けていることが改めて確
藻谷 俊介2023年11月14日2 分9月の統計を概観して反転上昇が期待された9月の鉱工業生産は、当社季調では横ばいに終わる(図A青線)。10-11月予測線は上昇を維持しているが、先月時点より傾きは小さくなった(同赤線)。赤線は先々月までは右下がりだったので、右上がりを維持していることはグッドニュースであるが、筆者としては期待ほどではな
藻谷 俊介2023年11月1日9 分マイク・ジョンソンとは何者か昨年の中間選挙の結果の与野党伯仲で、年初から不安定な状態が続いてきた米下院のリーダーシップだが、10月3日のマッカーシー前議長の罷免からわずか22日で意外にあっさりと次の議長が決まった。共和党議員221人の中から1人の反対者も出なかったこと、6年前に連邦議会議員になったばかりの新
藻谷 俊介2023年8月21日1 分世界インフレ率 7月分7月の世界CPIインフレ率は、リアルタイム(直近3ヶ月区間の平均伸び率の年率換算値)で3.1%で、6月の2.5%より上昇した(図4A、D)。PPIインフレ率は、昨年8月からデフレ局面に入っていたが、7月は実数値で12か月ぶりに反発した(図7A)。リアルタイムでも当然底入
藻谷 俊介2023年8月18日2 分貿易統計 7月分7月も日本の輸出数量は着実に伸びて(図2A)、その勢いも過去の好況期と比べて遜色ない状態が続いている(図2H)。11頁で仕向地別に見ると、アメリカ向けは左程ではないが、中国向け、EU向けの回復は今月も年率2桁と著しい。中国向けは左記事のような前年比報道でマイナスが印象付
藻谷 俊介2023年2月27日7 分物価水準論を考える依然として構造インフレとか粘着インフレという言葉が飛び交い、金融市場でもインフレが終わるという考えと、終わらないという考えが、短時間に主導権を奪い合って、方向感が揺らぐ状況が続いている。一旦形成された一般のインフレ期待は簡単には下がってこないことを痛感する。改めて問題になるのは