top of page

日銀短観 12月調査


esp2312NT
.pdf
ダウンロード:PDF • 286KB

別府式サイクルチャート(動作原理は次頁下のダイヤグラム参照)は、回転しながら景気の現在の位置を示す。


全体景気を示す全規模全産業(図A)は、再びポジティブ・サプライズを大きく増やして右上へ移動。前号で「このまま下に進むとは考えていない。右上方向にはまだ進む余地が残っている。」と書いたとおりの結果となった。


実際、2021年ごろから「まだ右上に進む余地あり」を筆者は繰り返してきたが、航路はジグザグしているものの、結局右上のこの位置に到達した。ただし図Aも、さすがにここから更に右上に飛び出すには、近年になかったエネルギーが必要だが、それがあるのかないのか。次項の「やり残し」がキーだろう。


大企業製造業(図B)は慣習的にトップ報道されるが、先駆性、代表性を失って、もはやこの統計の中核とは言い難い(図K)。今回調査で、図A同様に右上に進んだのは良かったが、まだ17~19年の周回に比べて小回りである。やり残しがある。


概要冊子(https://www.boj.or.jp/statistics/tk/gaiyo/2021/)の3~5頁で2023年度の売上、利益の「修正率」を見ると、ほぼ全項目で、9月調査から上方修正されている。9月は一部に下方修正が入り不安に繋がったが、勢いを取り戻した。


一方で設備投資は、非製造業も含めて9月調査から下方修正されており、人手不足にもかかわらず新卒採用も下方修正された。日本企業が現下の景気回復について、まだどこか半信半疑であることが示唆されている。

bottom of page