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平成バブル以来の業況サプライズ幅


w2021-04-02_平成バブル以来の業況サプライズ幅
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米国の3月ISM製造業指数は64.7と、1984年以降の最高水準を記録した。当然、生産、新規受注など主要内訳指数はコロナ禍前のピークを悉く更新している。ユーロ圏の製造業信頼感指数も4ヵ月連続で改善し、直近3月は18年12月以来の水準に浮上。特に、牽引役のドイツの急伸ぶりが目立つ。ユーロ圏の消費者信頼感指数も前月比4.0ポイント改善。構成要素に含まれない「今後1年の失業懸念」も深い水面下での持ち直しの動き。コロナ禍の現状を示すものとして、過去最悪レベルに張り付いたままの「過去1年の経済全般の状況」がある。しかし、これもユーロ圏消費者信頼感指数では構成要素ではない。


「日銀短観」3月調査でも製造業の改善幅の大きさが目立った。改善の勢いを特に実感できるのが、業況判断DI実績値を横軸に、今回実績値と前回予測値との差であるサプライズを縦軸に取った「業況サイクル」チャートである。大企業製造業は前回20年12月から今回21年3月に掛け右上方向に大きく距離を伸ばしたのに対し、大企業非製造業は右下方向へごく小幅な動きに留まった。大企業製造業の今回サプライズ幅13ポイントは平成バブルが成熟へ向かう88年5月15ポイント以来の大きさである。当面、横軸での改善は継続、サプライズは漸次縮小の動きが見込まれる。

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