top of page

7-9月期 法人企業統計


esp2309HK
.pdf
ダウンロード:PDF • 378KB

財務諸表も季節調整ベースで見るのがスフィンクスの方法であり、当レポートはその点が他社にない最大の利点である。水準が分からない上に判断を遅行させる前年同期比ではなく、あくまで4-6月期までと比較し、併せて長期的な水準や流れを見ていくことになる。


2頁で損益計算書を上から見ていこう。売上は4-6月期比で年率4.7%増加したが、4-6月期の同7.0%からは減速した(図2A)。原価の伸びは低めで(図2B)、粗利益は年率2桁上昇(図2C)。4-6月期と異なり販管費(図2D)と人件費(図2E)も伸ばしたにもかかわらず、営業利益(図2G)、経常利益(図2H)はどちらも歴代最高を更新した。


設備投資は、急伸したソフトウェア投資まで含めれば(図2K)、4-6月期の下げから盛り返した(図2J)。左記事では自動車牽引となっているが、非製造業、大企業中心だ(図4K、5F)。


4-6月期から製造業が攻めに転じたが、非製造業が先んじていることに変化はない(4頁)。7-9月期もダッシュが続いている。


調整感があった4-6月期の懸念を乗り越えて、7-9月期の業績は良い方向に進んだ。ただ、鉱工業生産のEcoShotでも述べたように、10月には内外ともに再び弛みが感じられる。また何もしなくても円安で業績が改善すると言う流れは、目下の円高で途切れている。実質賃金増を維持しながら自立的な回復をする道のりはまだ確約されてはいない。

bottom of page