top of page
  • 執筆者の写真汨羅

編集余録

余暇の話で恐縮であるが、今月思い立ってビワイチ(自転車で琵琶湖を一周すること)のために滋賀県に出かけた。コロナが発生して以来、週末もデータの入力その他があってなかなかまとめて休めない日々が続いていたので、一度本物の息抜きがしたくなったのである。

政策としてのビワイチを主導したのは大学時代の自転車部の後輩で、滋賀県守山市長をやっている宮本和宏さんで、ぜひ一度走ってみて欲しいと言われていた。宮本市長は県や湖辺の自治体を説き伏せて協議会をつくり、左回りに琵琶湖一周、路面にブルーのマーキングを引き、道路標識を並べ、案内サイトを準備した。こうして湖岸では車が自転車の存在を常に意識しているので比較的安全に、そして迷わず回れるようになっている。第一、ごく一部を除いて車は少ない。一周しないまでも、レンタサイクルで部分的に走ったり、船でショートカットしたりできるようにもなっている。愛媛-広島のしまなみ海道と並んで、自転車で地域おこしと言うケースの先達の一つなのだ。

ほぼ北端にある名勝、賤ヶ岳から望む琵琶湖の全容。快晴で南端まで見える。

琵琶湖は、日本海からの冷たい強風が北西の塩津や石田川沿いに入り込み、南東から甲賀、伊勢湾へと抜ける日が多い。本州が最もくびれた部分なのである。北上する時は、時に秒速8mに達する寒くて強い向かい風にほとほと疲れたが、3日間晴天に恵まれて、合計218km、累計走行時間13.6時間、平均時速16km/h、途中に賤ヶ岳と安土山の登山も加えて何とか走り終えることができた。泊まりながら走るのは学生時代以来である。今は年に4~50キロも走らないので大腿の筋力低下は否めないが、年の功とも言える我慢力、苦痛への鈍感力が、それを補ってくれたようである。

スタート/ゴールはピエリ守山の無料専用駐車区画

電車や高速道路で琵琶湖の脇を走ることはあったが、これまで湖岸を走ったことはない。南東の都市部を除くと、波が寄せ野鳥が飛び交う楽園で、想像以上の大自然が残っている。北西部のマキノあたりは昭和から変わっていないような懐かしい景色で一杯だ。今年は寒かったせいか人出も少なく、感染の憂いもなくマイペースで走ることができた。

大阪では感染者の急増がニュースになり始めていたので、滋賀も不便になっているかと思ったらまったく違っていた。彦根では、食べ物屋が閉まっては大変と19時頃に駅前商店街に飛び出したが、「大阪での感染者急増に伴い、誠に恐縮ながら営業時間を22:30までとさせて頂きます」と、東京人なら思わず目を瞬いてしまいそうな張り紙ばかり。野洲では一切の営業時間制約はないと言う。日本が自粛疲れを通り越して、自粛不在になりかけていた様子を実感することになった。以下、アミューズとしてフォトアルバムをご覧頂き、読者の皆さんにも機会があったらぜひ訪れて頂きたいと思っている。写真は時間順に並んでおり、クリックするとスライドショーになる。


bottom of page