藻谷 俊介2 日前2 分月例中国統計ウォッチ 3月分これまで、生産が堅調であることが筆者の中国経済への相対的楽観の大きな根拠であった。だが、3月は図1が久々にくっきりマイナスとなり、速度計も年率7%前後から一気に減速した(図2)。図1青線の公表季調値も微マイナスである。非常に問題なのは、最近になって新聞が
藻谷 俊介4月12日2 分2月の統計を概観して弱々しい状態が続いている日本経済だが、先月の号で下げも多少落ち着いてきたと述べた。悪化していたものも今月はほぼ下げ止まり、取り敢えず底割れは回避したと言える。2月の鉱工業生産は小幅だが続落し、ぶれに対するテクニカルな反動増すらも見られなかった(図A青線)
藻谷 俊介4月11日3 分危険水域に達した米サービス・インフレ昨夜発表されたアメリカの3月の消費者物価統計は、筆者が2/18号、3/17号と続けて描いてきた「人手不足によるインフレ」が、やはり現実となっていることを示した。新しいグラフなどを見ながら、事実を確認しておこう。やはり一番のポ
藻谷 俊介4月8日5 分賃金周辺を掘り起こす今四半期の機関投資家向けミーティングでは、鉱工業生産、サービス生産、実質消費などが総じて減少している日本経済の現状を警戒する一方で、それでも恐らく不況には陥らないであろう理由として、実質賃金の上昇と世界経済の好調を挙げている。しかし実質賃金の上昇については、今も普遍的な認識が欠
藻谷 俊介3月21日2 分月例中国統計ウォッチ 2月分統計の発表が少ない先月号では、自動車がマイナスになった他には大きな変化はなかった。今月は、1-2月分合算で発表される統計が多く、それを当社で統計学的にベストエフォートで季節調整したものを並べてある。全体としては新年に入って景気が悪化した様子はないが、個々の指標には一部不安が出
藻谷 俊介3月18日4 分米インフレ再加速シナリオ火曜日に2月の米CPIが発表された。全体としては、図Aが示すとおりで、おととしからの平均年率3.3%程度のインフレ・ゾーン(薄青線)にまだ収まっている。ただ図Aを拡大してみると分かるが、ゾーンの上限にはほぼ達しており、このまま加速するといよいよゾーンを離れて上に抜けてくる瀬戸際ま
藻谷 俊介3月15日2 分1月の統計を概観して日本経済は秋頃まではある程度の堅調さを保っていたが、徐々に勢いを失い、11-12月になると明確に弱くなっていた。1月も下り坂は下り坂だが、地震やダイハツ問題にも係わらず加速して悪化する様子はなく、その点では一息つけた。1月の鉱工業生産は急落(図A青線)
藻谷 俊介2月28日5 分物価の牽引力が弱い1/26号で、第三次産業活動指数の連続急落を引いて、製造業とサービス業、どちらからも経済の牽引力が見えなくなっていることを憂えた。今号は、そのフォローアップである。その際に示した図Aは、1ヶ月経って左のようになっている。第三次指数の落ち込みはますます鋭くなり、振り返ってもはや
藻谷 俊介2月26日2 分月例中国統計ウォッチ 1月分ほとんど季節調整されていない中国の統計を、春節補正の季節調整ベースで並べて観察するのが月例中国統計ウォッチである。先月号ではストック面の悪化が再燃し、筆者が期待していた回復速度より少し下を見る必要性に触れた。2月は多くの統計が発表されない月であり、総合的な判断はできかねるが、発
藻谷 俊介2月19日4 分次は利下げと決めてかかっているとアメリカのCPI動向を景気分析の中核に据えるような世間の習わしには違和感を覚えつつも、筆者も毎月の定点観測の対象にはしており、この週報でも隔月に1度くらいの頻度では報告してきた。前回は昨年12月なので、あまり間が開かないように今月も見ておこう。先週発表された1月分の米CPIだが
藻谷 俊介2月9日2 分12月の統計を概観して日本経済は秋頃まではある程度の堅調さを保っていたが、徐々に勢いを失い、11月も露呈したのはまず弱さだったと述べた。ひと月を経て蓋を開けると、12月は更に一段と弱くなっている。さあ、これで金融正常化はできるのだろうか。12月の鉱工業生産は極くわずかにプラ
藻谷 俊介1月26日4 分株高の裏で昨年最後の12/30号で、サービス業による景気牽引が続く中で生まれた、日本は製造業をもはや必要としないかのような雰囲気に懸念を表明した。そこでは主に製造業に焦点を当てて、知財重視とされるアングロ=サクソン諸国ですら、日本よりも製造業がきちんと働いていることを図示したが、筆者の懸念