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世界インフレ率 6月分


6月の世界CPIインフレ率は、リアルタイム(直近3ヶ月区間の平均伸び率の年率換算値)で2.1%と前月の1.8%から再加速した(図4A)。先月号で2.2%程度まで回復すると試算した通りである。2%前後は居心地の良いレベルであり、このまま行けば「正常化」と言えるだろう。


一方で、6月の世界PPIインフレ率はリアルタイムで0.7%から2.9%に急上昇(図7C)。資源価格(図8K)やCPI(図4D)と異なり、春のインフレピークが存在しないのがPPIだが、図6頁を見ると今さら価格転嫁が始まったのだろうか。そしてこれがもう一度CPIへ波及する可能性は捨てきれない。


6月は世界CPIインフレ率がリアルタイムで再加速したこともあり、リアルタイムの実質金利は反落。実質政策金利(図15L)は3.83%から4.68%へ、同長期金利(図11M)は3.65%から3.45%へ低下した。長期金利は安全圏に近づいたと言えそうだ。


一方で7月はここまでで中国が利下げした(図13頁)、世界政策金利は初めてピークアウト線形が維持されている(図15K)。インフレ率の低下に即応して政策金利が下がることは望ましく、世界全体としては意外に上手に調節されているということなのかも知れない。ただし、まだ小幅な調整利下げ的な色彩が強くて本格的な利下げサイクルとは言えず、また個別国事情も様々だ。

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