藻谷 俊介2022年10月25日2 分月例中国統計ウォッチ 9月分予定日に統計が発表されなかったため憶測を呼んだが、20年以上中国統計を追っている筆者にすると時々あることであり、また必ずしも悪い数字を出し控えると言うわけではない。今回も出てきた数字は特に悪くなかった。ただその都度述べてきたことだが、統計の発表が安定しないようでは国家の体裁にかか
藻谷 俊介2022年10月17日5 分木を見て森を見ず9/28号では、アメリカのCPIインフレが労働逼迫では説明できないことを示して、どこかの時点から煽り煽られるような社会現象(便乗値上げも含む)になっている可能性を改めて示した。今月に入ってから債券価格や株価も底堅くなってきているように見えなくもないが、市場はいまだFed神のご託宣
藻谷 俊介2022年10月7日2 分8月の統計を概観して先月号では、7月までの景気はスピード調整が一部に見られるものの全体に悪くないが、8月に電子部品デバイス工業において大規模な減産計画があるので、目先は注視しておきたいと述べておいた。結果的にその大減産は実行されたが、今のところそれは全体に大き
藻谷 俊介2022年9月28日4 分アメリカのインフレも収まってきたのに...心折れるような展開が続いている。6月中旬以降、インフレ後の世界を織り込む形で各国の長期金利は低下し、株価は上昇していたが、8月下旬から米連銀のインフレに対するタカ派的姿勢が改めて表面化して、今日までの間に欧米主要国の市場の形勢は6月の出直しとなってしまった。8/31号で書いたよう
藻谷 俊介2022年9月18日2 分月例中国統計ウォッチ 8月分ロックダウンの4月を底にして7月まで回復を続けた中国経済。8月も生産、消費は伸びたが、半導体生産、社会融資規模が弱含み、地価は一段と減速している。鉱工業生産(図A)はどちらの季調値も史上最高値を連続更新した。中でも総合景気を反映する発電量、用電量はいずれも続伸(図B)。注目度
藻谷 俊介2022年9月6日2 分7月の統計を概観して7月は一部にスピード調整はあるものの、一番の焦点である「賃金増vsインフレ」において、引き続き賃金増の方が勝っているため、景気悪化は考えにくいと考えられる。7月は図A青線の通り生産実績は上げ足す形になったが、電子部品デバイス工業において大きな生産計画の下方修正があって、図Bが
藻谷 俊介2022年8月31日6 分アメリカだけインフレが収まらない不思議露軍ウクライナ侵攻以来の筆者の分析は、以下のように流れた。①資源インフレ率は瞬間的に高かったがすぐに低下しており、川下(PPI、CPI)も追って沈静化するはず。②だとすれば、金融引き締めが延々と続くことはない。③そのため、円安もどこかで止まる。④各国の実物経済もインフレ下で右上が
藻谷 俊介2022年8月16日2 分月例中国統計ウォッチ 7月分5-6月の反動は、あっても些少だった ほとんど季節調整されていない中国の統計を、春節補正の季節調整ベースで並べて観察するのが月例中国統計ウォッチである。ロックダウンの4月を底にして、5-6月に急回復を果たし旧トレンドに復帰した中国経済。7月は感染再拡大の影響も心配されたが、マイナ
藻谷 俊介2022年8月9日2 分6月の統計を概観して先月号では、市場のインフレ懸念は徐々に退潮してきているが、反対に増してきた不況懸念についても、内外の統計にはそれが表れていないことを改めて指摘した。6月になると、5月の弱点だった鉱工業生産系指標までもが回復し、内需系も更に堅調となったこと
藻谷 俊介2022年7月25日8 分コロナ拾遺 26先週、筆者もついにコロナを発症することとなった。過去2年半、毎朝数字として打ち込んできた感染統計が、画面に並ぶ数字の羅列からついに自分にとっても現実となったことに幾分の感慨がないこともない。典型的な家族内感染である。3連休に慶事があって家族全員が集まった際に、都市部から持ち込
藻谷 俊介2022年7月16日2 分月例中国統計ウォッチ 6月分リセッション懸念が場違いとなる見事な回復 ほとんど季節調整されていない中国の統計を、春節補正の季節調整ベースで並べて観察するのが月例中国統計ウォッチである。先月号では多くのグラフが急回復を示したが、6月になると更に一層線は上昇して回復を確固たるものにしている。鉱工業生産(図A)
藻谷 俊介2022年7月13日2 分5月の統計を概観して鉱工業生産は下がったが、内需は拡大続く 過去2ヶ月、ウクライナ戦争や商品インフレを考慮すれば意外なほどに多くの統計が改善してきたことを述べ、心配事ばかり語られる裏で、経済指標は続々改善していることが過小評価されている気がすると結んだ。5月は鉱工業生産が、恐らくは中国のロックダウン