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乖離率0%以下に向け再始動




当週報の本年4月18日付号では「3月相場で記録した様々な節目」と題して、TOPIXの200日線からの乖離率および6ヵ月予想からの乖離率が3月に経験則上の節目に到達し、株価が横這う形で、これらの数値が沈静化する必要性を記した。前者は3月22日の18.0%から6月17日には7.1%まで縮小。経験則上は0%以下まで行っておかしくなかった。だが、急速な円安と生成AIブームを背景とする株高で、7月11日には14.3%まで再拡大。6ヵ月予想からの乖離率も高止まりが続いた。しかし、米広義ハイテク株の時価総額比率がかなり危険な水準まで到達してしまったこと、一方的な円安基調が転機を迎えたことで、上述の2つの乖離率が0%以下に向かう動きが再始動した。


筆者は「QUICK月次調査<株式>」に基づいて株価予想の外れ具合を見ると同時に、期待上昇率も見ている。この数値は株価の暴落場面では非常に高い値が出て(具体的には02年2月や08年12月など)、株価のピーク圏では低い値が出る(06年4月や07年3月など)という傾向が鮮明だ。それは非常に健全なことである。本年3月調査では1ヵ月予想値と6ヵ月予想値に基づく期待上場率(複利年率換算)が-0.2%だった。これは同調査で遡れる00年6月以降で最低の値だ、それだけ回答者の高値警戒感が強かったということになる。7月高値2929は3月高値2813を上抜いたが、足元株価はそれ以下に引き戻された。


米国株ではITセクター相対株価が今月上旬、スパイク状の上昇後、同じく引き戻しの動きが見られる。広義IT関連株の時価総額比率は7月10日に45.0%を記録。87年4月、本邦金融株が記録した42.5%を超えた。行き過ぎた集中を和らげるため株価調整が必要だ。ただ、「バブル崩壊」と言うのは大袈裟と思われる。

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