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A Year in Review 2020 昨年を振り返って

(ここで紹介したレポートはPDF版↓をダウンロードしてご覧下さい。)

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コロナ問題と大統領選に忙殺された一年でした

2019年末の米中フェーズ1合意によって、2020年は緩やかな回復の年になると考えていた矢先に新型コロナウイルス禍が発生し、世間の雰囲気が不可逆的に悪化した一年でした。筆者は大学入学時にはバイオサイエンス志望の理系学生だったこともあり、エコノミスト業の傍ら、この未知のウイルスを探ることにも相当の時間を割きました。とは言え、その中核は生物化学の知識開陳ではなく、毎朝1時間近くかけて手入力する感染データの定点観測であり、筆者の経済統計分析とあまり変わらない地味な手法です。

コロナに関するレポートは全部で28篇書きましたので、とてもすべてご紹介できません。最初は抗ウイルス薬やワクチン、対症療法、検査手法の話題に始まり、途中から数値の国際比較分析を前面に出しました。毎朝数字を入力して気付いたのは、この病気が限られた環境でしか高い伝染性を示さないことであり、常識的な自衛措置を取れば、確率的には簡単には罹らない病気であるということでした。従って、怯えた世間の雰囲気よりは全体に前向きな論調になっています。第1波以降は内外の景気データの回復も著しかったことから、5/7号からは「コロナ拾遺」と題して、更新データと拾い残したトピックを半ば事後処理的スタンスで紹介してきたのですが、年末に伝染力の高い変異種が浮上したため、またしばらくコロナ問題の解決が遠のきそうなことに落胆しています。

経済分析では、季節調整データを基に谷から何割回復しているのかを随時更新し、世間の認識よりも高速で景気が回復していることを示しました。コロナ問題に隠れて見えなくなっている変化、特に米中合意がもたらした米中間の貿易の急回復などをお伝えできたのは良かったと思っております。

アメリカ大統領選は、恐らく誰にとっても後味の悪い幕引きとなりました。6/21号で最初に「ポスト・トランプ」と言う表現を使い、「ポスト・コロナ」だけではない2021年のトレンドの可能性を論じた他、11/6号でももう少し長い視点からの共和・民主のせめぎ合いの中でトランプを位置づけることを試みました。

昨年も一年間、皆様のご声援のおかげで何とか会社を続けることができました。

2021年6月にはスフィンクス・インベストメント・リサーチは25周年を迎えます。

どうか引き続きご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。

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