A Year in Review 2023 昨年を振り返って
- 藻谷 俊介
- 2024年2月4日
- 読了時間: 2分
(ここで紹介したレポートはPDF版↓をダウンロードしてご覧下さい。)
利上げ2年目、最後はFedが引いてくれました
1年前の当バックナンバー集においてインフレと利上げの終局を議論しましたが、思いのほかFedが引っ張ったことで、2023年も長期にわたってインフレと利上げの問題が市場を席巻する形になりました。私は、インフレを前年同月比で測定することによる遅行の問題、人手不足インフレと言われつつ実は家賃インフレであることの問題、そして金利サイクルと景気サイクルのずれの問題など、Fedの説明には無理があることを指摘して、苦しい時間を過ごしましたが、8月のジャクソンホール以降Fedが急転換していき、最後は自分の議論に分があったかなと多少の自負を感じる一年でした。今回はそんな昨年のレポートの中から時系列順で6篇お届けします。
5/16号「困惑の原因:ずれる金利サイクルと景気サイクル」と8/17号「納得できない執拗なインフレ論」は、Fedに対する私の主な対論であり、その着地点が末尾の12/30号「利上げ頭と利下げ頭」という構成です。また、そこでの議論を補佐するのが10/27号「景気サイクルを何で見るべきか」です。これらのレポートは、市場での「利上げは後何回か」と言うような議論とは直接交差しないため、当時はエイリアンの書いたものに見えたかも知れませんが、今4篇お読み頂ければ、昨年の出来事を理解する上で1つのヒントになるものだと思います。
残る2篇は、米国政治ものです。日本のメディアからはなかなか伝わってこない部分を、向こうの表情報を読み解き書いています。10/31号「マイク・ジョンソンとは何者か」は米議会保守派の近況、11/22号「Antisemitismの呪縛」は米以関係の根底にあるものを、それぞれ短く書き殴ったものです。読み物としてご笑覧ください。
昨年も一年間、皆様のご声援のおかげで何とか会社を続けることができ、
設立28年目に入ることができました。心より御礼申し上げます。
そして本年もどうか引き続きご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。
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