藻谷 俊介

2022年10月31日1 分

鉱工業生産 9月分

経産省季調では8月が大きく上ぶれていたので、前回予想した通りの反動減となったが、減少幅が意外に小さかったのは、当社季調で見ても結構な伸びがあったからである(図2B)。

とは言え、それほど素晴らしい話ではない。出荷は予想通りのマイナスとなったので(図2C)、差は在庫となった。図2J~Kの急速な上昇がそれであり、恐らくは少し前の部品不足の記憶から、作れるようになった今、作り溜めをしたのではないかと思われる。

しかし、世界生産は需要の伸び悩みから既に頭打ちになっており(図4A)、需要があるのに部品がなくて作れないと言うのはもはや古い発想なのではないかと心配になる。5頁で、日本JPがようやく上位に出てきたことを、素直に喜びたいところなのだが。

先月述べたように、やはり生産は一旦頭打ちと冷静に考える必要はあるだろう。テックの生産調整がスパイラルにならなかったのは良かったが(図3J)、鉄鋼、輸送機、化学の生産予想は下がり続けている。図2A赤線が上向くまでは、警戒が必要と思う。