藻谷 俊介

3月30日2 分

鉱工業生産 2月分

先月号では、「ダイハツは煙幕に過ぎず、2-3月も左記事(当時)のようにマイナス幅を取り戻すどころか、実際は図2A赤線(当時)のような漸減になりかねない状況」、と警告したが、実際に生産は2月も漸減した。左記事は、戻ると思っていたら戻らなかった驚きをもろに伝えている。

ただ、筆者はむしろほっとした。先月号で懸念した電気機械、電子部品デバイス、生産用機械などのネガティブ・サプライズは、今月はいずれも大きく改善しており、悪しき連鎖は生まれなかったからだ(図3B)。韓国・台湾のデバイス生産も同時に反転増しており、一時的な悪化だったようである(6頁)。

図2Aの赤い当社3-4月予測線も底入れを示すようになり、3月は増産方向へ切り返すことになるだろう。

世界鉱工業生産も2月はプラスに復帰(図4A)。日本の大きなマイナスで1月は一時的に凹んだが、2月はプラスの国が多く、競り勝った(図5頁)。

自動車の生産減は、不祥事のダイハツ、トヨタに留まらず、スズキ以外のすべてのメーカーで発生している。大雪のせいにもされるが、実際には中国を中心に世界的な販売不振があり、海外生産も多くの社で減っているし、韓国現代自動車も減産しているので、問題をグローバルに捉え直すべきだろう。そこにたまたま日本は不祥事が重なったと言う流れである。