藻谷 俊介

2022年3月31日1 分

鉱工業生産 2月分

当社季調では前月比プラス0.8%で、発表値よりはかなり強いが、図2Bに表れているように、流れ対比では弱々しい。とは言え、先月は一旦横ばいになってしまった向こう2ヶ月の生産計画が、再び右上がりに戻ったことは、弱いながらも増産の継続を示唆している(図2A赤線)。今月は戻りの第一歩が示されたと言える。

とは言え、図4Aが示す世界鉱工業生産が2月にかけて加速しているのと比べると、例によって日本勢の動きの鈍さが気になる。もはや日本だけがサプライチェーン問題でもたついていると言い訳するのには無理がある。当然、国別でも日本は最下位クラス(図5頁)。

新聞の特性として一番影響したセクターに絞って記事にするため、自動車が何でも決定づけている印象があるが、引き続き電子部品デバイスの増産効果も大きいことは指摘しておきたい(図3J~K)。増産は世界的な傾向である(6頁各図)。

ウクライナ侵攻の影響は蓋を開けてみるまで分からないが、今回の日本の鉱工業統計調査は侵攻後の3月上旬に行われているので、図3Cの予測点が高いことは、日本企業はその時点で比較的影響が少ないと見ていたことを示している。