藻谷 俊介

2023年2月28日2 分

鉱工業生産 1月分

当社季調での生産は前月比で1.5%のマイナスで(図2B)、ぶれの大きい経産省季調のような落ち着きのなさは示さなかったが、生産調整の継続が確認された。ここからの問題は、筆者の予想通り1-3月期に底が形成され、4-6月期がプラスになるかどうかである。

その点で、今回は悪い知らせと良い知らせがある。まだ揉み合っているわけである。

悪い知らせを先に述べておくと、生産計画がまた外れたと言うことである(図3A青線)。先月号で期待したほど順調には上がってはいかなかったわけだ。特にその中での図4Jの効果は大きく、要はシリコン・サイクルの解決が少し先送りになった可能性がある。とは言え、1月まで入った図6Dはトレンド的に頃よく上昇し、図6Cと併せて引き続き中国のサイクルが先に転換している様子を示唆しているので、そこが崩れない間は期待を捨てる理由はない。

良い知らせは、生産計画が外れたことを加味しても、2-3月の生産予測線がこの局面で初めて上向いたことである(図2A赤線)。先月までのレポートをしばし遡って頂ければ、この変化は如実であることがわかる。月々のぶれもあるので、この赤線はそのままぴったり実績とはならないが、平均的にはかなり正しい。計画が多少外れ続けても底入れになるとすれば、冒頭の筆者の予想と違わない。

まだ下がる数値の中に現れてきた変化に注目したい。