別府 浩一郎

2023年12月18日1 分

足枷的存在としての中小企業(12月短観)

12月短観では、業況判断DIを基にする業況サイクルが、卸売、不動産、宿泊・飲食サービスを中心に大企業非製造業で一段と改善。予想以上の強さだが、さすがに今後の改善余地は乏しくなる。大企業製造業は内外製品需給判断、製品在庫判断が依然冴えない。その分(ないしはそれでも)、業況サイクルはごく緩やかに改善。自動車は例外的に右上方向へ大幅改善。前回、左下方向へ悪化した電気機械は今回は反転。

本年に入り借入金利判断DIが上昇。中小製造業は足元実績18に対し次回予想は34と、金利上昇に身構え。一方、中小非製造業は足元実績が11と低く、次回予想も24に留まる。対照的な両者だが、日銀にとってはどちらも足枷的存在と言える。

<内容>

1.業況

2.製品需給、製品在庫、価格、販売価格・物価見通し

3.売上高、経常利益、売上高経常利益率、想定為替レート

4.設備投資計画、生産・営業用設備、雇用人員

5.企業金融関連