藻谷 俊介

4月17日1 分

貿易統計 3月分

輸出数量は昨年9月をピークにして6ヶ月連続で下がり続けている(図2A青線)。速度計が示す低下の勢いも、不況期の平均を超える急落だ(図2H)。輸入数量の落ち込みも激しい(図2B)。世界からデカップリングしているのは、中国ではなく日本と言うのが皮肉だ。

11頁で仕向地別の輸出数量を見ると、ここへ来て欧米向けの輸出の減少が止まらなくなり、むしろアジア向けの方がしっかりしている。NIES、ASEAN向けは随分と下がっていたが、足元は底入れの雰囲気であるし、中国向けはずっと横ばい基調だが、少なくとも欧米のように下がってはいない。輸入数量は逆で、欧米からの輸入が急増している(図2F)。恐らく世間のイメージとはまるで違うことが起こっている。

世界貿易は、データが順次加わるにつれて減速してきた。この瞬間には速度計(図3D)もほぼゼロであり、それは図3Bが横ばいになってきたことを意味するが、図3A~Cを総合的に判断するならピークアウトに向かっているわけではない。

貿易赤字も昨年中は減少していたが、黒字に届かないまま折り返しているように見受けられる(図3M)。季節調整せずに左記事のように黒字と述べても意味はない。