藻谷 俊介

2022年9月19日1 分

設備投資受注 7月分

筆者はコロナ禍で景気の谷が見えてから、継続的に設備投資に強気であったが、先月号で工作機械受注が、内需外需ともに(図3J~K)意外に大きく下がっていることから、一時的なものか、転換点なのか、来月以降も注視したいと述べてあった。

1ヶ月を経て図4Jを見ると、工作機械受注の山線形は引き続き残っている上に、先月までは強かった民間建設受注にも山線形が現れた。残念ながら、一時的なぶれである可能性は少し減り、1つの山を迎えた可能性は少し増えたと言える。

達成度(過去のピークボトムやトレンド対比での位置)はグラフによっても異なるが、図2A、図4Aなどは概ね良いところまで来たと言えそうな反面、図3Jなどはまだ上昇余地があるようにも思える。円安で日本での事業機会は、製造業であれ、インバウンドであれ、拡大していくはずで、もう少し投資の天井は高いと考えるべきかも知れない。一方で、先月述べたように円ベースの投資コストはインフレで上昇しているはずで、多少の様子見が発生していても不思議ではない。

投資採算(図3H)などから考えて、設備投資ベアになる理由はないが、短期的な調整の可能性までは払拭できないと考えている。