藻谷 俊介

4月16日2 分

設備投資受注 2月分

図3Lで名目の民間設備投資を概観すると、昨年10-12月期の最終的な設備投資(GDP統計における民間企業設備、赤線)は、法人企業統計(青線)のTSMC工場建設などによる急上昇を反映して、大きく上がって終わっている(図2M)。

今年に入ると、工作機械受注(同黄線)は1-3月期の出来上がりで多少反発しているが、ここまで引っ張ってきた民間建設受注(緑線)が1-3月期にはかなり折れてしまっており、赤線の継続的上昇は難しいと筆者は判断している。

3月まで入った工作機械受注は、内需は先月の期待通り底を形成した。一方、昨年央に一旦は底入れしたように見えた海外勢は逆に二番底的になってきた(図3J~K)。海外勢が日本勢に遅れるとすれば珍しいが、結局中国勢の底入れがはっきりしないことが原因であると想定している。

図3Eが示すように、機械受注の見通しと実績の乖離は縮小した(図3F)。工作機械受注とも平仄が合っており、遅れていた機械系の投資がプラスになったのは間違いなさそうである。左記事が浮かれ気味なのはそのためだが、図3Lに戻れば、そもそも機械系が弱くてもここまでの民間企業設備の伸びは堅調だったのである。逆に建設系、特に工場建設のピークアウト感は否めず(図4D)、ここから機械系が多少戻るとしても、工場への納入が一巡すればその先は続かない可能性がある。