藻谷 俊介

3月19日1 分

設備投資受注 1月分

図3Lで名目の民間設備投資を概観すると、最終的な設備投資(GDP統計における民間企業設備、赤線)は、法人企業統計(青線)のTSMC工場建設などによる急上昇を受けて大きく上方修正されている(図2M)。しかし、工作機械受注(黄線)が底知れずの下落を続けている一方で、民間建設受注(緑線)も1-3月期には折れてしまっており、赤線もここがピークとなって不思議ではないと言える。

図4J~Lを見比べると、これまでぶれが少なく先行性も有していた工作機械受注が、今次は役に立っておらず、建設受注にその座を譲っている。

その工作機械受注は、内需、外需とも底入れないし底入れに近づいている状態の線形である。しかし昨年央に底入れはしたと思われる海外勢の伸びも、今回は非常に鈍く不安定である(図3J~K)。

図3Eが示すように、機械受注の見通しは右上がり、実績は右下がりで、乖離が広がっている(図3F)。機械サイドの投資は受注側から見るとサプライズを伴って悪い状態が続く。