藻谷 俊介

2021年3月17日1 分

設備投資受注 1月分

最終更新: 2021年5月14日

筆者は、方向としての設備投資増をもとより疑ってはいないが、右図のような機械受注の急上昇はぶれである公算が高く、10-12月の法人企業統計を見てから設備投資を判断すべきである、と述べてきた。実際に、今月の右図末端にはかなり反動減が出ているし、法人企業統計が示す設備投資の回復は弱かった(図4J青線)。

ただ、機械受注は当社季調でも着実に伸びており(図2A、2C)、実状は内閣府季調値より多少弱いとしても、本腰を入れた増加傾向が感じられるようになっている。図2Gでは電子計算機、図2Kでは産業用ロボット、化学機械、合成樹脂加工機械、建設機械、農林用機械の寄与度が大きい。それ以外ではまとまった上昇が見られないので、一般的な設備投資回復とは言いがたいが、効率化投資や化学など一部の生産設備増強は行われ始めたようである。

ただし、内外格差が分かる図3J~Kでは、相変わらず海外勢のぶっちぎりが続いている。電子計算機など日本でも投資が活発化しているような対象は、海外ではもっと引きが大きくなっていると想像できるので、日本勢にはより一層前向きになってもらいたい。