別府 浩一郎

2023年6月13日1 分

製造業の異例の強気見通し

「法人企業景気予測調査」4-6月期調査(調査時点:5月15日)では、国内景況判断BSIが大企業製造業で1-3月期-7.4から4-6月期8.7へ、大企業非製造業は-0.8から18.3へそれぞれ改善した。やはり訪日外客数の急回復など経済再開効果は非製造業の方が強く実感している。宿泊・飲食サービスや小売は典型例だ。ただ、中小自動車・同附属品の-25.0から30.2への急浮上も目立った。

一方、貴社景況判断BSIは大企業製造業が1-3月期-10.5から-0.4へ(季調値では-5.8から5.9へ)、大企業非製造業は0.6から4.1へ(季調値では2.8から3.8へ)改善。大企業非製造業は国内景況判断BSIの改善からは大きく見劣りする。それだけ人件費などコスト増の圧迫が強い。7-9月期以降の先行き見通しも、製造業は楽観的、非製造業は抑制的だ。わけても中堅製造業の見通しが強烈である。4-6月期、7-9月期、10-12月期のBSIは、電気機械で大企業-8.8→13.4→12.6、中堅企業-28.3→8.7→21.5。生産用機械で大企業-2.1→11.3→14.8、中堅企業-13.6→1.3→30.9。自動車・同附属品では大企業7.6→12.9→12.4、中堅企業-0.6→20.2→30.6と言った具合だ。なお、このBSIでも中小自動車・同附属品は1-3月期-23.6から4-6月期14.2へ大幅に改善した。

TOPIX四半期平均は、13年第2四半期を起点とする年率7%上昇線へ急速に鞘寄せ。22年の停滞分を帳消しにする勢いだ。これだけの株価上昇でも日銀保有ETFの処分が議論されないとすれば、それは喜ぶべきことなのか、個人的には疑問である。