別府 浩一郎

2021年11月22日2 分

緊急事態宣言解除後の消費行動

今月上旬実施の消費者庁「物価モニター調査」では、緊急事態宣言解除後の消費行動について臨時の質問がなされた。宣言解除によって消費行動が「コロナ禍前とほぼ同様に戻った」との回答は全体の9.5%だった。これを高いと見るか、低いと見るか判断は難しいが、マスク着用率の継続的高さも含め、日本人の行動は総じて慎重と言って良いだろう。それは当面の経済の回復にとってはマイナスだが、感染再拡大の抑制にとってはプラスである。一方、「今後も引き続き行っていきたいこと」の中で、「テレワークの活用」が11.0%と意外に低い。年代別でこの比率が最も高かったのは30代の23.1%だった。回答者のうち約4分の1に留まる「正社員」だけで見れば更に高まるかも知れない。

例年、12月上・中旬に「日経ヴェリタス」による翌年の相場見通しのアンケート調査が実施される。日米株価の回答対象は当然、日経平均株価とダウ30種平均(DJIA)である。しかし、「DS倍率」の急低下が示すように、DJIAは米国株の実勢を示すことに失敗している。そして、改めて言うまでもなく、日経平均株価は「ファストリのウェイトがMUFGの115.8倍(先週末時点。以下同じ)」という代物だ。加えて、キーエンスが日経500種平均算出時には株価29万8560円(株価換算係数4.0)として扱われ、日経平均算出時は株価7464円(同0.1)として扱われるというのも支離滅裂。「和製ダウ式」を守り抜くためなら何でもありだ。逆に、浮動株ベース時価総額式の日経J1000は本年6月で算出中止。あるべき姿とは真逆である。