別府 浩一郎

2022年2月26日2 分

米国株の予想と現実

昨年12月中旬回答の日経ヴェリタス紙アンケートでは、2022年のDJIA高値・安値を「38500ドル・32500ドル」とした。これは形式的なもので、S&P500指数の高値・安値予想「5000・4250」を回答時のDS倍率でDJIAに換算したものだ。無論、ウクライナ情勢は全く視野に入っていなかった。現実の株価動向はというと、S&P500は先週木曜に一時4114まで下げた後、急反発。先週末を4384で終えた。ウクライナ情勢の今後を予測することは筆者の能力では困難だ。もし事態が好転した場合、株価はより反発するのかも知れない。一方で、米国株は行き過ぎた「コロナ相場」の調整過程にあることも事実だ。株価調整度合いのバロメーターの一つとして、52週騰落率0%に注目したい。これは株価が極端に下押さなくても、本年第2四半期には可能な水準だ。ハイテク株が「ITバブル崩壊」時のような下げを演じる可能性も小さいだろう。もちろん、ウクライナ情勢が極度に深刻化すれば話は全く別だ。

TOPIX四半期平均は昨年第1四半期から年率約7%の上昇線上を綺麗に推移してきたが、本年第1四半期はそこから下振れた。配当込みTOPIXでは、13年第2四半期を起点に昨年まで複利年率9.2%の上昇。本年第1四半期までだと同8.6%上昇に低下した。配当利回り自体は安定している。企業が着実に配当を増やして来たためだ。もっとも、その分、「配当増より賃金増」との圧力が政治サイドからは強まっているわけだが。