藻谷 俊介
4月7日1 分
■ 消費は一つの統計ですべてを語ることができない。当社では以下の中核的統計を総覧することを推奨している。いずれも実質化された統計である。
A. 「世帯消費動向指数(図2A)」 総務省
B. 「商業販売額指数・小売業(図5M)・実質」経産省・当社
C. 「総消費動向指数(図7A)」 総務省
D. 「消費活動指数(図7B)」 日銀
■ 1月はA、Cが前月比でマイナス、B、Dがプラスとなった。プラスとなったB、Dも趨勢的にはマイナスで、消費から良いデータは完全になくなっている。Aは当社でうるう年も補正しているので、左記事のような見かけだけの改善もない。
■ ただし、当冊子で常々重視している名目世帯収入の底入れ的な動きは継続しており、名目リアルタイムで年率7.9%(図6M)、実質でも同6.7%(図7E)と強い。まだ絶望する状況ではないと思われるが、せっかくの収入増が消費に向かわず、広義の貯蓄に回っている状態は嘆かわしい(図3B)。