藻谷 俊介
3月13日1 分
■ 消費は一つの統計ですべてを語ることができない。当社では以下の中核的統計を総覧することを推奨している。いずれも実質化された統計である。
A. 「世帯消費動向指数(図2A)」 総務省
B. 「商業販売額指数・小売業(図5M)・実質」経産省・当社
C. 「総消費動向指数(図7A)」 総務省
D. 「消費活動指数(図7B)」 日銀
■ 1月はA、Dが前月比でプラス、B、Cがマイナスとなった。プラスとなった2つも、12月の大きなマイナスの後の小さなプラスなので、趨勢的にはマイナスだ。独り伸びていたBもピークアウトしてきており、良いデータは完全になくなっている。
■ ただし、当冊子で常々重視している名目世帯収入の底入れ的な動きは継続しており、名目リアルタイムで年率5.5%に達している(図6M)。これをCPIで実質化したグラフ(実質世帯収入)も今回から加えたが、やはり底入れしている(図7E)。同じ家計調査統計である図7Aと図7Eを見比べると、タイムラグを伴って図7Aも上がってくるように思えなくはない。今の消費は弱いものの、企業業績の悪化で人件費が下がってくるまでは、まだ絶望する状況ではないと考えている。