別府 浩一郎

2月24日2 分

海外投資家累積買越金額、米決算動向

2月12日付当週報で掲載したTOPIX移動平均線からの乖離率をアップデートした。これだけの強い相場ではあるが、75日線、200日線からの乖離率は昨年6月のピークをまだ下回っている。この関係は、今次相場を先導する海外投資家の13週累積買越金額の数値にも当てはまる。「含む先物」ベースで昨年6月第4週には7.4兆円を記録したが、本年は1月第4週の2.9兆円が現時点でのピークだ。12ヵ月累積では13年12月の15.7兆円が突出したピークで、これを除くと10兆円前後が一つの節目だ。直近はまだ6兆円台である。36ヵ月累積では一層穏当な水準に留まる。

先週、S&P500指数は生成AI相場の中核、NVIDIAの好決算を受け史上最高値を更新した。S&P Dow Jones Incices社集計によるS&P500種セクター別本年予想EPS修正状況を見ると、IT、コミュニケーション・サービス、一般消費財が上昇傾向となっている。これはNVIDIA決算発表直前のものであることに留意されたい。NVIDIA以前に決算発表済みのS&P500種の内、75%が予想をビート、20%がミスした。ネットベースのビート率は55%。ITセクターはビート率89%、ネットベースのビート率80%で、いずれも全11セクター中1位となっている。

米国株ではDJIAも史上最高値を更新。かつまた、表示される数値ベースでは日経平均株価とほぼ同水準ということで、両者をそのまま並べたグラフを良く見る。しかし、前者はS&P500指数に対し下振れ傾向、後者はTOPIXに対し極端に上振れ傾向のため、日米株価の比較としては不適切だ。

【訂正ならびにお詫び】

2024年2月20日付当週報におきまして、以下の誤りがございました。

大変申し訳ございませんでした。

<コメントの第1パラグラフ第11行>

【誤】ゼロ金利解除を睨んで上昇する銀行も

【正】マイナス金利解除を睨んで上昇する銀行も、

<第2頁のグラフタイトル>

【誤】TOPIX月次ローソク足チャート

【正】TOPIX月次棒足チャート

<第5頁のグラフタイトル>

【誤】日経500種平均株価月次ローソク足チャート

【正】日経500種平均株価月次棒足チャート