別府 浩一郎

3月12日2 分

株価とは裏腹の景況モメンタム

最近までの株価急騰とは裏腹に、内閣府「法人企業景気予測調査」1-3月期調査(調査時点:2月15日)では景況モメンタムの弱さが目立った。貴社景況判断BSIは大企業製造業が昨年10-12月期5.7から今回-6.7へ、中堅製造業は4.4から-9.2へ、中小製造業は-10.1から-22.1へといずれも悪化。大企業非製造業、中堅非製造業も前四半期比では悪化だが、BSIはプラス圏を維持。中小非製造業は-2.5から-12.0へ悪化した。業種別では電気機械、生産用機械では大企業は改善、中小企業は大幅悪化。自動車・同附属品は一部メーカーの生産・出荷の停止が響いて、どの規模もプラス圏からマイナス圏に沈んだ。

内閣府「景気ウォッチャー調査」の場合、現状判断DIは能登半島地震の影響で1月に悪化、2月は反発も、中立水準の50近辺で概ね横這いに留まる。昨年4月までの目覚ましい改善とはかなり異なる。先行き判断DIの持ち直し傾向は本年に入ってからの株価動向と整合するが、こちらも昨年前半までと比べれば大いに見劣りする。

株価は将来を織り込むものであり、前述のような足元の景況モメンタムが全てではもちろんない。とは言え、いささか先走りし過ぎの感があるのも事実ではあろう。先週実施された「QUICK月次調査<株式>」3月調査では、1ヵ月予測値と6ヵ月予測値に基づいて算出した期待上昇率が年率-0.2%とマイナスになり、足元上げ過ぎへの警戒感が示された。