藻谷 俊介

2023年6月8日1 分

景気動向指数 4月分

先行CI、一致CI、遅行CIの平均である4月の「総合CI」は、前月比+0.6%の99.4となった(図2A赤線)。3月は0.5ポイント上方修正で98.8だった。TOPIXなど相場2系列を除くベースでも+0.7%で(図2A青線)、そこからぶれの大きい鉱工業生産系の7系列を除いても+0.5%と、結果に違いはなかった(図2A黄線)。

景気動向指数の最大の問題は、ぶれが大きくなりがちな相場系の2系列と、過剰に製造業を大きく算入する鉱工業生産系の7系列(ぶれも大きい)を含むことである。これら9系列を除いた23系列で作成した図2A~B黄線が、当社のベンチマークと言うことになる。

それによれば、四半期ベースではマイナスになることなく、ゆっくりと改善が続いてきたことが分かる。いわば昨年後半のCIの調整は鉱工業生産、すなわち製造業の部分に特質的な出来事であり、シリコンサイクルの払底と自動車生産の回復が、鉱工業生産にも好転をもたらしたことで、そこも回復してきているのが現状だ。

今後は回復の速度(図3Gがどこまで青線に近づくか)に関心がある。