藻谷 俊介

2022年5月15日1 分

景気動向指数 3月分

先行CI、一致CI、遅行CIの平均である3月の「総合CI」は、前月比+0.6%の97.9であった(図2A赤線)。2月は0.3ポイント下方修正され97.3となっている。TOPIXなど相場2系列を除くベースでは+0.4%(図2A青線)、そこからぶれの大きい鉱工業生産系の7系列を除いても+0.6%で大差なく、ばらつきのない堅調な伸びだったと総括できよう(図2A黄線)。

先行CI、一致CI、遅行CIの全てがプラスだったことも、幅広く改善したことを示している(図2J~L)。先月号では、「今問題なのは、ウクライナ侵攻による経済情勢変化で、その踊り場さえ維持できなくなるリスクである。それが数字に見えてくるのは次号以降だ。」と警戒したが、図2Bも崩れず、肩すかしを食らう結果だった。

3月の統計が意外に強かだったことは、他のレポートでも述べてきたことであり、複数の統計を合成する景気動向指数が強かなのも当然ではある。4月に入ってから崩れるリスクもあるので、もう1-2ヶ月は警戒しつつ事態の推移を追うことにしたい。