藻谷 俊介

2022年4月11日1 分

景気動向指数 2月分

先行CI、一致CI、遅行CIの平均である2月の「総合CI」は、前月比+0.2%の97.6であった(図2A赤線)。1月は0.5ポイント上方修正され97.5となっている。TOPIXなど相場2系列を除くベースでは+0.1%(図2A青線)、そこからぶれの大きい鉱工業生産系の7系列を除いても-0.1%で大差なく、概ね横ばいだったと総括する(図2A黄線)。

一致CIと先行CIのマイナスを、遅行CIのプラスが埋め合わせた形だが(図2J~L)、遅行CIの内訳を見ると寄与したのは圧倒的に消費者物価と在庫だった。現状、この2つの増加は悪い意味合いになっているので、その意味ではあまり褒められる結果ではなかったと言うべきだろう。

ただ、ここまでに見てきた他の統計と同様に、大騒ぎするような問題はない。四半期で均した図2Bが示しているのは昨年からの踊り場的状況であり、むしろ今問題なのは、ウクライナ侵攻による経済情勢変化で、その踊り場さえ維持できなくなるリスクである。それが数字に見えてくるのは次号以降だ。