藻谷 俊介

4月1日1 分

日銀短観 3月調査

別府式サイクルチャート(動作原理は次頁下のダイヤグラム参照)は、回転しながら景気の現在の位置を示す。

全体景気を示す全規模全産業(図A)は、わずかに下へ移動。細かく言えば景気の山に近づいていることになるが、緑丸印の陰に隠れるほどの小動きであり、単なる足踏みと考えた方が良い。

大企業製造業(図B)は、わずかに左上へ移動。サイクル旋回と逆方向であり、時間稼ぎ的な動きであるが、これも緑丸印の陰に隠れるほどの小動きであり、単なる足踏みだろう。

概要冊子(https://www.boj.or.jp/statistics/tk/gaiyo/2021/)の3~5頁で2023年度の売上、利益の「修正率」を見ると、製造業の売上には小幅な下方修正が入ったが、利益はいずれも上方修正されている。成長はのんべんだらりだが、利益は出やすいのが救い。

一方で設備投資は、製造業を中心に12月調査からまた下方修正されている(うち土地投資とR&Dは上方修正)。

今回はいずれも小幅な変化であり、全体として方向性の転換を示すものはない。緩やかな回復が継続する中での、ちょっとした足踏みと言うところだろう。