別府 浩一郎

2022年6月29日1 分

日・米・ユーロ圏の6月消費者マインド

日・米・ユーロ圏の6月消費者マインドは、いずれも物価上昇により下押した。内閣府「消費動向調査」では1年後の予想物価変動率が一般世帯で4%台に乗せ、消費者態度指数は昨年1月以来の低水準となった。内閣府は基調判断を「下げ止まりの動きがみられる」で据え置いたが、「物価上昇を受け再失速した」が適切な表現だろう。もっとも、高所得層や若年層のマインドはそれほど悪化していない。

The Conference Boardによる米国消費者サーベイでも物価見通しの上振れが目に付いた。その下で6月消費者信頼感指数は前月比4.5ポイント低下。特に先行き指数は7.3ポイント大幅低下した。その内訳である景気先行きDIは-14.8まで落ち込んだ。これは2009年3月-28.2以来の低水準である。

ユーロ圏の消費者信頼感指数は本年3月の劇的悪化の後、ウクライナ戦争の長期化に連れ、じり貧の動きが続いている。6月は前月比2.4ポイント低下の-23.6で、コロナ禍ボトムの2020年4月-24.5に迫った。過去1年・今後1年資金繰りDIはいずれもコロナ禍ボトムを下回った。ここでEUの国別CPI前年比を見ると、原発大国・農業大国のフランスは上昇率が一番低い。それでも国民議会(下院)選挙で与党連合は大敗した。フランス以外の国でも政権与党が厳しい立場に置かれていることは容易に想像出来る。