別府 浩一郎

2021年7月31日2 分

感染急拡大下のユーロ圏景況感

変異株の急拡大により、ワクチン接種が進んでいる欧米でも新規感染者数が急増。7月のユーロ圏の分野別信頼感指数もその影響度合いにより明暗が分かれた。製造業信頼感指数は前月比1.8ポイント上昇の14.6で過去最高を記録。サービス業信頼感指数も1.4ポイント上昇の19.3。ただ、3月~6月の前月比上昇幅が6.6~11.8ポイントの幅だったのと比べると勢いは鈍化した。消費者信頼感指数は1.1ポイント低下。6ヵ月ぶりの悪化。同指数の内訳で、ワクチン接種の進展と共に急改善して来た「今後1年の経済全般の状況」が小反落した。。現在の消費者信頼感指数には含まれないが、要注目の「今後1年の失業懸念」も同様の動きとなった。もっとも、重症化ひいては死亡するリスクは抑えられていることもあり、感染急拡大の割には消費者信頼感指数の悪化度合いは限定的であるとも言える。また、「今後1年の失業懸念」を含む旧系列の消費者信頼感指数の水準は現行指数のそれを上回る。

コロナ禍を逸早く脱したはずの中国ではあるが、米中新冷戦、抑制的な経済政策などを背景に、本年2月中旬以降、株価はモメンタムを失っている。そこに巨大ネット企業への締め付け強化が加わって下げが加速。コロナ前から上値の重さが目立っていた不動産株指数は18年10月安値に面合わせ。預金準備率引き下げがむしろ弱気の号砲となった。