別府 浩一郎

2022年4月11日2 分

悪化が際立った3月米国中小企業マインド

3月の米国中小企業楽観度指数は前月比2.5ポイント悪化の93.2。3ヵ月連続悪化し、コロナ禍ボトムである20年4月90.9に迫った。特に「今後6ヵ月の経済全般見通し」は、「良くなる」の比率から「悪くなる」の比率を引いたDIが-49と底が抜けた形。高インフレ、金融引き締め強化、ウクライナ情勢などが複合的に影響したと思われる。「過去3ヵ月の販売価格」DIは72へ上昇する一方、「今後3ヵ月売上見通し」DIは-18へと大幅に落ち込んだ。雇用関連のDIでは人材獲得競争、賃上げ競争に白旗を挙げつつある状況が窺える。

「弱い立場にあるほどより苦しく」というのは内閣府「消費動向調査」でも見られる。3月調査では消費者態度指数が大きく悪化。内訳の4つの消費者意識指標では「暮らし向き」と「耐久消費財の買い時判断」が特に下押し。08年7月ピークを上回る今後1年予想物価変動率が影響していることは間違いない。そして、「暮らし向き」の悪化度合いは世帯年収と物の見事に連動している。

今更ではあるが、「日銀短観」業況判断DIに基く業況サイクル(横軸に実績値、縦軸にサプライズを取ったもの)を掲載する。大企業製造業は縦軸で昨年3月がピーク、横軸では昨年12月がピーク。直近3月調査で左下方向へ悪化の一歩。業種別で、最も象徴的な動きをしているのが電気機械だ。自動車は先に悪化し、その分、今3月調査では改善が期待されたが裏切られた。