藻谷 俊介

4月8日1 分

労働関連統計 2月分

■雇用人数 異なる統計の、往々にして異なる結論を、恣意性なしで単純な星取り表として考えるのがここでのポイント。雇用の絶対「数」の動向を示す図2B青線、図2D青線、そして図2Eの「雇用三羽ガラス」は、2月は季調前月比で3勝0敗で、先月の1勝2敗から一気に前進。

■所得 きまって支給される1人あたり給与は実質で前月よりわずかに増えたが(図2H赤線)、特別に支払われた給与は実質で減少(図2J赤線)。両者を合わせた実質現金給与総額(図2G赤線)は横ばいとなったが、底入れしたらしい線形は維持した。

これに雇用人数をかけて、企業セクターの支払総額(家計セクターの受取総額)にしたものが図2Kで、2月のリアルタイム名目で+4.1%、同実質で+3.4%の伸びとなった。

図2Kの補佐として法人企業統計の実質人経費を見ると、10-12月は年率3.2%で増加している(図3F~G)。どちらで見ても賃金はインフレに負けてはいない。

■時間 景気一致指標である所定外労働時間は、1月に続いて増加した(図3A)。1月は反動増の範疇に収まっていたが、2月は少し上に抜けてきたように見える。総労働時間は1月に急増したので2月は上げ足せていないが、高い位置は維持した(図3B)。パートタイムの伸びが主因(図3C)。