藻谷 俊介

3月13日1 分

労働関連統計 1月分

■ 雇用人数 異なる統計の、往々にして異なる結論を、恣意性なしで単純な星取り表として考えるのがここでのポイント。雇用の絶対「数」の動向を示す図2B青線、図2D青線、そして図2Eの「雇用三羽ガラス」は、季調前月比で1勝2敗で、先月の2勝1敗から後退。じわりと弱くなってきた印象。

■ 所得 ただし、所得は政府の音頭取りもあって、まだ強さを残している。きまって支給される1人あたり給与(図2H)、特別に支払われた給与(図2J)、それを合わせた実質現金給与総額(図2G)は、いずれも実質で前月より増加。3ヶ月連続の増加。

これに雇用人数をかけて、企業セクターの支払総額(家計セクターの受取総額)にしたものが図2Kで、名目で+4.0%、実質でも+4.0%の伸び(CPIは季調では頭打ちになっておりこの瞬間は実質と名目に差がない)。

図2Kの補佐として、今月号から法人企業統計の人件費を実質化したものを横に並べた(図3F~G)。実質人件費は年率3.2%で増加中。図2Kや僚誌EcoShot消費関連統計の図7Eと同じく、家計セクター全体ではインフレは克服できている。

■ 時間 1月は景気一致指標である所定外労働時間(図3A)、総労働時間(図3B)ともに先月の急減の反動増的な反発が見られる。一般労働者に限ると、もともと労働時間は横ばいレンジである(図3C)。