別府 浩一郎

3月25日2 分

中国人民銀行による半年遅れの公表

好調な日米株式市場と対照的に、中国CSI300株価指数は本年2月2日の3179ポイントまで大幅下落が続いた。当局による種々のテコ入れ策にようやく反応し、今月18日には3603ポイントまで戻した。率にして13.3%の上昇である。この間、200日線からの乖離率も-13.9%から-0.6%までマイナス幅を縮小したものの、その後は200日線水準回復を目前に足踏みしている。

そうした中、先週金曜、中国人民銀行による家計(預金者)マインド調査の昨年第3四半期と第4四半期の結果が併せて公表された。昨年6月29日に第2四半期分が公表されて以降、途絶えていたものだ。人民銀行が別途、銀行、企業家を対象に行っている四半期調査についても同様である。もし日銀が「短観」9月調査、12月調査の結果を翌年3月にまとめて公表したらと考えれば、その珍妙さが分かるだろう。さて、肝心の家計マインド調査の結果だが、収入の現状指数、先行き指数、雇用の現状指数、先行き指数は、いずれもゼロコロナ政策下の22年第4四半期を直近ボトムに、23年第1四半期に急反発。しかし、その後の3四半期は続落。住宅価格見通しのDI(「上昇」-「下落」)は昨年第4四半期-7.9で、22年第4四半期-4.5を下回っている。消費、投資、貯蓄の選好度合いでは、貯蓄の比率が昨年第3四半期に過去最高の62.2%、第4四半期も61.0%と高止まり。投資の比率は昨年第4四半期15.6%で、過去最低の22年第4四半期の15.5%に迫った。

さて、TOPIXは先週末2813ポイントで、89年12月18日の史上最高値2884ポイントまであとわずかに迫った。全上場株ベースで算出される旧TOPIXは先週末2925ポイントで史上最高値を更新した。2つのTOPIXの差違は20年まで続いた銀行株の極端なアンダーパフォームの影響が大きい。