藻谷 俊介

3月13日1 分

世界鉱工業生産 1月分

1月の世界鉱工業生産(データ71%収集時点)は、季調前月比-0.2%(前年同月比+2.3%)の141.8となり、わずかとは言え13ヶ月ぶりのマイナスとなった(図5A)。12月は0.9ポイント下方修正の142.1であった。

速度計は年率0.3%まで低下してしまい、もはや半好況と言うよりは踊り場である(図5D)。

ただし、こうなった最大の原因は日本の生産急落であり、ぶれやすい経産省季調のせいでもある(図3頁紫線)。急落の原因がダイハツなど自動車産業だけではなかったため、2月に100%元に戻ることはないが、季調のぶれの反動増は出るので半返し以上にはなるだろう。そうなれば世界が景気後退期に入ったわけではないと言う判断にはなりそうである。

世界輸出数量も1月は反動減(図8B)。速度計も減速(図8D)。先月号で「出来過ぎであり来月は反動減が確実だ」と述べたとおりである。ただ、こちらは右上がりの趨勢を維持している。

オランダCPBの世界輸出数量指数は、12月はプラス(図9K青線)。線形としても、先月号で「趨勢的に折れているとは言えまい」と判断した通りである。ただし、図7頁で2月が発表されている4ヶ国中3ヶ国はマイナスと言うこともあり、まだ多少のマイナスはあるかも知れない。