藻谷 俊介

2023年12月10日1 分

世界景気先行指数 11月分

11月の世界景気先行指数(速報)は季調済前月比+0.4%の163.4となった(図4A)。10月は0.1ポイント下方修正されて162.8となっている。

合目は遡及下方修正されて、11月は7.6合目と10月の速報とほぼ変わらず(図4B)。10月は7.5合目から7.1合目に、9月は7.1合目から6.7合目に下方修正された。

高速で合目が上昇する時期の後には、先月書いたように停滞期があり、いわば先に駆けたウサギ(CLI)が寝てしまい、カメ(景気実態)を待つような展開になる。実際のところ、CLIは上り下りの傾斜が強い、つまり途中が速いだけで、先にゴールして景気の天井を示すことはない点でもウサギと似ている。これがCLIの計算上の宿命である。

加重の大きい中国のCLIが独り強い数字になっている状況に変わりはない(図3頁、4M)。これに中国経済の実態が追い付くには、まだかなりの時間が必要だろう。カメから見れば、ゴールはまだ遠い。