世界インフレ率 9月分

■9月の世界CPIインフレ率は、リアルタイム（直近3ヶ月区間の平均伸び率の年率換算値）で3.7%と前月から幾分低下。6月2.4%、7月3.0%、8月の4.1%と言う推移で、エネルギー価格に合わせてアップダウンしている（図4D、8J～K）。

■PPIインフレ率は、昨年8月から価格下落局面に入っていたが、6月を底にして反発してきた（図7A）。ただし、上述のエネルギー価格同様にリアルタイムでの加速度は低下している（図7C）。

■ウクライナ侵攻に始まった超インフレと、その後の修正が一巡した後は、通常のインフレ（図4D、7Cなどの速度計グラフで青線付近）が続くと考えてきたが、短期的にはそれなりのぶれがある。

■インフレが一旦正常化した以上、過激な利上げは止めて、ここからは是々非々でとの筆者の考えは変わらない。10月は今の時点で利上げした国はなく、ポーランドが利下げをしている（図13頁）。また折しもリアルタイム・インフレ率が高めなので、実質金利は3%を超えるような懲罰的水準にはなっていない（図15L）。

■世界実質賃金伸び率はリアルタイムで0.8%に低下（図10B）。インフレ率が短期変動する以上、ここにもある程度のぶれを許容せざるを得ない。