藻谷 俊介

2023年7月23日1 分

世界インフレ率 6月分

◆ 6月の世界CPIインフレ率は、リアルタイム(直近3ヶ月区間の平均伸び率の年率換算値)で2.1%で、5月より更に低下したものの、さすがに下げ止まりの様相もある(図4A、D)。PPIインフレ率は、デフレ局面に入って久しいが、6月はリアルタイムで久々に反発した(図7A、C)。

◆ ウクライナ侵攻に始まったインフレと、その後の修正は、ほぼ一巡したとみられる。ここからは通常のインフレが続くと考えている。

◆ インフレが正常化した以上、もう利上げは抑制すべきとの筆者の考えは変わらない。7月は加露土の3か国が利上げし、世界政策金利は12bp上昇して5.37%となっている(図13頁、図15K)。

◆ 問題はリアルタイムでインフレ率が低下してきたことにより、世界リアルタイム実質政策金利(図15L)は輪をかけて上昇してしまうこと。3%を超えると多少懲罰的になってくる。

◆ 世界実質賃金伸び率は、見ての通り反り返って加速中(図10B)。先月までは1%前後だったが、今現在は3%を超えている。景気回復への貢献は大きくなっている。