藻谷 俊介

2021年6月22日1 分

世界インフレ率 5月分

5月の世界CPIインフレ率は、図4Aが示す6ヶ月平均年率で4.8%、図4D末端が示す3ヶ月スパンで見ると5.3%となった。4月が改定後で5.2%なので、伸び悩んできている。PPIインフレ率も6ヶ月平均年率は高まったが(図7A)、3ヶ月スパンでは改めて減速して16.5%となった(図7C)。遡及の上方修正もあり、まだ明確にピークアウトとは言えないものの、そろそろの雰囲気もある。筆者は中国景気が減速している以上、原材料プッシュの過大なインフレは心配していないが、名目賃金の上昇には一応目を光らせている(図10A)。

6月はロシアとブラジルが利上げし、世界政策金利は上昇が続いているが(図14K)、インフレ率がそれ以上に伸びるので実質政策金利はマイナス幅を拡げた(図14L)。まだ引き締めにはなっていないわけだ。