藻谷 俊介

4月21日1 分

世界インフレ率 3月分

3月の世界CPIインフレ率は、リアルタイム(直近3ヶ月区間の平均伸び率の年率換算値)で2.7%と前月の3.0%から幾分減速した(図4A、4D)。後述するようにモノの価格転嫁に遅れ、ないし逆行が見られることで、継続的なインフレ加速になっていないと判断している。

年初から川上の資源エネルギー価格のインフレが加速してきたが(図8J~K)、今回は川の中流のPPIのインフレの発現が遅れている、ないしむしろ逆行して減速している(図7C)。従って、CPIの上昇もどちらかと言えばモノではなく、サービスの需要増加や賃金インフレ(図10A~B)によるものである。これは特にアメリカにおいてそうであるが、世界平均も比較的それに近い。

世界インフレ率がリアルタイムで一服したので、リアルタイムの実質金利は先月よりも幾分上昇した。実質政策金利(図15L)は4.01%、同長期金利(図11M)は2.56%であり、先月より50bp以上高い。ただ、実質長期金利は目安となる3%を下回っているので懲罰的ではない。

各国の金融政策も取り敢えず今月は今のところ現状維持である(図13頁)。