藻谷 俊介

1月23日1 分

世界インフレ率 12月分

12月の世界CPIインフレ率は、リアルタイム(直近3ヶ月区間の平均伸び率の年率換算値)で2.1%と前月の1.1%から反発した(図4A)。

2%を切ったのは一時的なもので、図4Aの最近のトレンドは年率2.5~3%だったところへ、昨秋のエネルギー・インフレによるコブができ、その上下を拾って加速と減速が記録されただけである。そこまでデフレ的になっているわけではなく、それが筆者が利下げ説に期待していない理由でもある。

世界インフレ率が戻ったため、リアルタイムの実質金利も正常化。実質政策金利(図15L)は4.35%、同長期金利(図11M)は2.95%と、先月から1.5%近く下がった。先月号で予想したとおり、インフレ率が再上昇する形で実質長期金利は目安の3%を下回り、その意味でも利下げの必要はなくなった。

11月の世界実質賃金伸び率は、先月号での予測通り上昇して3.0%(図10B)。以上のように、取り敢えず金利、インフレ、賃金は整合性を回復し、危ない状況ではなくなったと言える。