藻谷 俊介

2023年12月24日1 分

世界インフレ率 11月分

11月の世界CPIインフレ率は、リアルタイム(直近3ヶ月区間の平均伸び率の年率換算値)で0.9%と前月の2.0%から更に低下した(図4A)。

基本的には資源エネルギー価格に合わせてのアップダウンなのだが(図8J~K)、最後までインフレ率が大きかったイギリスやポーランドがここ2ヶ月で急落したこともあって(図3頁)、多少下方にぶれた。

Weekly Economicsで書いたように、前年同月比での遅れた認識は別として、インフレ率は低下の趨勢をもはや有してはおらず、徐々に過去平均の3%に向け再上昇すると考えるのが自然。少し先を見ておきたい。

世界インフレ率が低下したため、計算上のこととはいえ、リアルタイムの実質政策金利は5.48%(図15L)、同長期金利は4.55%と1%近く跳ね上がった(図11M)。先月号では3通りの解決ルート(実質金利を低下させる方法)を書いたが、今の段階ではインフレ率が再上昇する道筋が最も現実的だと考える。

10月の世界実質賃金伸び率は、先月号での予測通りプラスに復帰して1.5%(図10B)。11月も低下したインフレ率に合わせて上振れするだろう。