藻谷 俊介

4月12日1 分

PPI企業物価 3月分

国内企業物価指数全体としてのリアルタイム・インフレ率は、3月は+2.9%(図2A)。改定後の2月値の方が若干高かった(図2C)。図2Aは確かに踊り場を抜け出したが、その後再び勢いが低下しているのだ。

エネルギーを含まないコアも同様に減速し、リアルタイムでは+2.4%(図2B)。こちらも速度計で見ると2月の方が高い(図2D)。

バックにある国際資源エネルギー価格のリアルタイム・インフレ率は、図4J~Lのように結構な加速が続いている。先月も述べたように、通常ならこれは各国のPPIに割と素直に現れるのだが、今3月は日本のPPIだけでなく、世界PPIも速度計の末端が下がっている(図4M)。日本、中国、欧州などがその原因である。アメリカだけはPPIインフレが加速している(図4H)。

一言で言えばBtoBで価格転嫁が遅れていると言うことになるが、今の段階ではその主たる要因を筆者は特定できない。インフレ期待が減って、価格転嫁疲れのようなものが発生しているのだろうか。その割には多くの国でCPIインフレは加速しており、つまりBtoCの価格転嫁は進んでおり、ますます謎は深まる。ただ、日本はCPIインフレも低調なので、価格転嫁は再び遠慮モードに戻っているのかも知れない。