藻谷 俊介

3月13日1 分

PPI企業物価 2月分

国内企業物価指数全体としてのリアルタイム・インフレ率は、2月は+2.6%まで到達(図2A)。グラフも踊り場を脱出したような有様である。リアルタイム速度計は10年平均をはっきり上回る(図2C)。左記事が言うような補助金一巡の影響ではなく、後述する足元の国際資源エネルギー価格の上昇が影響している。

エネルギーを含まないコアは、リアルタイムでは+2.4%(図2B)。こちらは先月の2.2%から微増に留まるが、エネルギーを含まないので動きが落ち着いているわけだ(図2D)。エネルギーの乱高下と政府補助金による抑え込みで不自然な踊り場を形成した図2Aと違って、エネルギーを除く図2Bは基本的には上昇を続けてきた。そのインフレのレンジは1~3%というところである(図2D)。

バックにある国際資源エネルギー価格のリアルタイム・インフレ率は、図4J~Lのように結構な加速が続いている。この波形は、日本の図2C~Dはもちろん、アメリカの世界PPI(図4H)、世界PPI(図4M)にも似たように現れている。各国の消費文化や消費動向に影響されやすいCPIと違って、PPIはほぼ万国共通で動いてくる。日本の場合、これがどれほどストレートに川下に価格転嫁されていくかは、今回まだ分からない。