藻谷 俊介

2021年3月16日1 分

PPI企業物価 2月分

最終更新: 2021年5月14日

PPIは6~8月の3ヶ月間続けて上昇し、9~11月の3ヶ月間下落した後、12~2月は上昇に転じている(図2A)。9~11月の下落幅は小さかったので、趨勢としては右上がり(インフレ)と判断すべきである。図2Bのエネルギーを除くベースも、相対的には弱いが、波形は同じである。

モメンタム計で見ると今のPPIインフレ率は4%程度(図2C)。図の通りこの勢いなら過去3年に何度か経験した範囲であり、今のところインフレを懸念するレベルではない。エネルギーを除くベースでも年率2%程度まで上昇したが、これも近年対比ではまだ弱め(図2D)。今くらいの勢いが続くなら、過熱を心配する必要はないと言うことになる。

図5C~D青線が示すように、背後にある海外価格の上昇は堅調で、国内インフレの少し先を行く。とは言え、ここにも今のところ加速感はあまりないので、インフレ懸念派の人も取り敢えずもう一ヶ月様子見で良いのではないだろうか。