藻谷 俊介

2023年10月29日1 分

CPI消費者物価指数 9-10月分

9月の全国リアルタイムCPIインフレは、東京CPIが先に示していたコースを辿って若干減速したが、リアルタイムでも2%を割ることはなかった(図2D)。Weekly Economics 8/27号で述べた下げ止まりである。

一方、10月の東京リアルタイムCPIは、急加速して2.4%(図2H)。10月になると、ガソリン価格上昇の一服よりも、遅れて上昇する電気代によるプラスが効き始めたことによる(図4C)。

ただそもそもは、そうしたぶれに煩わされないようにするために、コア指数がある。生鮮食品とエネルギーを除いた日銀コアでは、リアルタイムで3%前後のインフレが継続している(図2L~M黄線)。

と言うことなので、植田日銀がデフレ時代への逆戻りを本気で心配しているとは考えにくい。そういうことにして、時間稼ぎしているだけではないかと思う。心配なのはデフレよりも、金利上昇が各界に与えるインパクトの方である。